伊熊 奈美さん
美容ジャーナリスト・エディター/
毛髪診断士指導講師
女性誌の編集・執筆歴は25年以上。ヘア分野を中心に、 日常に取り入れやすい美容法を発信。雑誌、テレビ、新聞、Webでの執筆・監修のほか、イベントや講演でも活躍。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた~でもいきなりグレイヘアは無理!』(グラフィック社)がある。

巡りも、栄養も、運動も。
全部、髪につながっている。
「髪質が変わってきた気がする」と感じたとき、毛先のケアだけを見直していませんか?
実はそれ、頭皮のエイジングが関係しているかも。
美しい髪を育てるために、本当に必要なケアとは?伊熊奈美さんに伺いました。
頭皮も年齢と共に
薄く、硬くなる。
髪のうねりは
頭皮のエイジングサインのひとつ
顔は年齢とともに弾力が低下したり、たるんだりしますが、頭皮にも同じようにエイジングによる変化があるのでしょうか。
伊熊さん
頭皮も顔と同じように菲薄化※などのエイジング現象が起こります。年齢とともに、頭皮を触ったときの感触が明らかに変わり、以前よりも薄く、柔らかさがなくなったように感じることも。
薄く弾力がなくなった頭皮はバリア機能の乱れが起きやすいです。うるおい不足の頭皮はますます硬く薄くなり、毛細血管が圧迫され栄養が行き渡りづらくなるため、細毛やうねりが発生します。
髪が立ち上がらなくなった、うねりやすくなったという変化は、髪そのものだけでなく、頭皮の変化も関係しているということです。
※菲薄化:肌の一番外側にある表皮が薄くなる肌痩せ状態のこと。真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの量が減少することで起きる肌の老化現象のひとつ
うねりを毛髪だけの問題として考えず、頭皮のエイジングサインとして見る必要があるのですね。
伊熊さん
そうですね。もちろん、髪の内部構造や栄養状態も関係しますが、髪が生まれる土台である頭皮環境は非常に重要です。
頭皮ケアだけじゃない。
健康な体あっての美髪です
頭皮を硬くしないためには、マッサージを続けるのがよいのでしょうか。
紫外線や乾燥の影響を受けるのでしょうか。
伊熊さん
マッサージは大切ですが、一時的なケアでもあります。頭皮だけでなく、定期的な運動によって全身の血流を上げることも重要です。
頭頂部は体の末端で筋肉がなく、太い血管も少ないため、もともと血流が滞りやすい場所です。髪は、毛細血管から運ばれる栄養や酸素を受け取った毛母細胞によってつくられるので、頭皮だけをマッサージするのではなく、首や肩など周辺の筋肉も動かし、全身の巡りを整えることが大切です。血流がよくなることで頭皮の硬さも和らぎ、ふっくら柔らかな状態を保ちやすくなります。
また、髪の約8割を占めるタンパク質をしっかり摂ることも基本。肉や魚、卵、乳製品、豆製品などに加え、タンパク質を体内で再合成するために必要な鉄・亜鉛・マンガン等も意識したい栄養素です。鉄は血液中のヘモグロビンの生成に、亜鉛は毛周期の維持に関わります。ビタミンCやB群も取り入れながら、まずはバランスのよい食事を。適度な運動と良質な睡眠も含め、全身を整えることが、これから生えてくる健やかな髪につながっていきます。
女性の場合、ホルモンバランスの変化も気になります。
伊熊さん
女性ホルモンであるエストロゲンは、肌や髪を健やかに保つことを支えています。エストロゲンは20代後半頃をピークに変化していきます。
40代後半〜50代で更年期を迎える頃、エストロゲンの減少は一気に進行。
女性ホルモンが低下すると、相対的に男性ホルモンの影響を受けやすくなり、髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。肌のうるおいを保ち、抗酸化物質としても働くエストロゲンを失うことは、髪や頭皮にとっても大打撃です。
女性ホルモンの量を、化粧品で増やすことはできませんが、局所的な頭皮環境を整えることは可能です。
頭皮と髪のケアに
おすすめしたいのが
「アンプルール ナイトリペア
スカルプ&ヘアエッセンス」です
伊熊さんは髪がとてもきれいですが、日頃どのようなケアをされていますか。
伊熊さん
夜はもちろん、朝もスカルプ&ヘアエッセンスを根元に付けて、ブラッシングをします。その後、朝ごはんをつくったり、身支度をしたりします。少し時間を置いてから髪を整えると、根元が自然に立ち上がりやすく、ブローをしなくてもふんわりしやすいんです。
目に入る場所に置いておくと、自然に続けられます。生活の中に組み込むことが大切ですね。
伊熊さん
先ほどお伝えしたタンパク質やアミノ酸、亜鉛、鉄などのミネラルを意識しています。サプリメントもいいですが、体内に吸収されやすいのは断然食事です。
そして摂った栄養を末端の頭頂まで届けるため、巡りや代謝も大切。適度な運動と良質な睡眠を心がけています。
洗い方、マッサージ、アウトバスケアなども含めて一つだけではなく、できることを組み合わせて継続することが、未来の髪につながりますよ。

次回Vol.3は、髪のダメージと「結合」について、成分ハンターの竹岡篤史氏と共に対談形式でお話しいただきました。