ハイドロキノンは、このチロシナーゼの働きを抑制することでメラニン生成を抑える成分として知られています。その高い作用から美容皮膚科におけるシミ治療にも用いられる一方で、皮膚細胞に対する細胞毒性が報告されている成分でもあり、化粧品への応用においては、使用濃度や条件を含めた十分な安全性評価が不可欠です。
本研究では、皮膚細胞に細胞毒性が認められない濃度条件下で両成分を比較検証した結果、高浸透ホワイトハイドロキノン(SHQ)が純ハイドロキノン(HQ)を上回るチロシナーゼ抑制効果を示すことを確認しました。
ハイドロキノン研究の歩み
シミの主な原因であるメラニンは、紫外線などの刺激を受けることで生成が促進され、その過程には酵素「チロシナーゼ」が関与しています。ハイドロキノンは、メラニン生成に関与する酵素チロシナーゼの働きを抑える成分として知られており、その効果は一般的なブライトニング成分と比べて10倍から100倍に及ぶとも言われています。
美容皮膚科をはじめとする医療の現場では、「シミの治療薬」として使用されるほど効果実感が高く、これまでに多くの臨床データが蓄積されてきました。一方で、ハイドロキノンは光や熱、酸素に弱く不安定であるという性質を持ち、使用条件や処方設計によっては刺激や肌負担などのリスクが生じる可能性もあることから、化粧品への応用においては、使用濃度や条件を含めた十分な安全性評価が不可欠です。
イメージ図:独自成分「高浸透ホワイトハイドロキノン」
高浸透ホワイトハイドロキノンは、安定化物質であるセタルコニウムクロリド(BCDAC)がハイドロキノン分子を包み込む独自構造を持つ成分です。これにより、従来課題とされてきたハイドロキノンの不安定さを克服し、成分を安定した状態で保持すると同時に、高い浸透性を実現しました。
さらに本成分は、シミの生成に関与するメラノサイトにおいて、ハイドロキノンが濃度に依存することなく、適切に作用することを重視して設計されています。有効性と安定性、そして肌への配慮という相反する要素を一つの成分設計で両立させた点が、高浸透ホワイトハイドロキノンの画期性です。
高浸透ホワイトハイドロキノン、
シミの原因酵素に対し従来成分以上の抑制効果
本研究では、純ハイドロキノン(HQ)とアンプルールが採用する高浸透ホワイトハイドロキノン(SHQ)を対象に、シミの原因となるメラニン生成に関与する酵素「チロシナーゼ」に注目した比較評価を行いました。(図1)
図1:純ハイドロキノン(HQ)高浸透ホワイトハイドロキノン(SHQ)のチロシナーゼ活性阻害率の比較
皮膚細胞に対して細胞毒性が認められない範囲の濃度条件下で、両成分のチロシナーゼ抑制効果を検証し、評価の結果、高浸透ホワイトハイドロキノン(SHQ)が純ハイドロキノン(HQ)と比較して、より高いチロシナーゼ抑制効果を示すことが確認されました。